「ピラフ道」第1話~土鍋でピラフ~
はじまり
コーヒーを愛する私にとって、至福のひとときは一杯のコーヒーと、それに合う食事を楽しむ時間だ。けれど、気がつけばいつもサンドイッチやピザ、パスタなど、小麦を使ったものばかり。ご飯ものでもコーヒーと相性の良い料理があれば——そう思ったのが、すべての始まりだった。
オムライス、カレー・・・何かコーヒーと合うご飯メニューがないかと考えた末、たどり着いたのがピラフだった。昔は喫茶店でもよく食べられていたメニューの一つ。バターの香りが立ち、スパイスがほんのり効いた一皿は、コーヒーとの相性も抜群のはず。
家庭でも作れる最高のピラフを求め、私は今日も鍋を火にかける。
これは、そんなピラフ探求の物語である。

ピラフとは・・・
ピラフとは、中東や中央アジアに起源を持つ炊き込みご飯の一種。米をバターやオイルで炒めてから、スープやブイヨンで炊き上げる。具材やスパイスによってさまざまなバリエーションがあります。
日本では洋風炊き込みご飯として、レストランや喫茶店の定番メニューとして親しまれてきました。
炊き上がったご飯を炒める「チャーハン」とは異なり、生米を炒めてからスープでじっくり炊き上げるのがピラフの特徴です。
ピラフ道・第1話の材料とレシピ
材料
生米:コシヒカリBL、2合分(300g)
玉ねぎ:半玉
人参:一本の半分
冷凍むきエビ:10尾
冷凍むきアサリ:16個
酒:大さじ1
野菜出汁:400cc(市販のパック出汁を使いました)
塩(出汁味付け用):小さじ1
バター:50g
塩:一つまみ
コショウ:二振り
ローリエ:1枚
炊飯調理器具:土鍋
レシピ
今回のレシピのポイント
- 土鍋で炊いてみる
- 新潟県産のコシヒカリを使う
- 生米はさっと洗い、30分水を切る(あえて浸水はしません)
- 野菜出汁は温かい状態で鍋にいれる(生米が温度差で割れてしまうのを防ぐため)
下準備
- 生米をさっと洗い、30分水を切る。
(ざるに生米をいれ、流水でさっと洗うだけにしました。) - 冷凍エビとアサリを解凍して、出てきた水を切り、酒につけておく。
- 出汁をとり、400ccを図り、塩小さじ1を混ぜておく。
- 玉ねぎ、人参をみじん切りにする。
(出汁をとっている間に、みじん切りをすると作業しやすいです)
調理工程
- 土鍋にバター50グラムいれ、中火にかける。バターが溶け始めたら、中弱火にして、土鍋の中でのばす。
- 3分の2ほどバターが溶けたら、玉ねぎ、人参を入れて、色がつかないように炒め、塩コショウで下味をつける。
- 野菜がしんなりしてきたら、生米を入れて、半透明になるまで炒める。
(生米は焦げやすいので気を付けて) - お米が半透明になり、底にくっつき始めたら、塩入りの野菜出汁をいれる。
- 火を中強火にして、中心までしっかりと沸騰させる。
- 沸騰したら、とろ火にする。
- 解凍しておいたエビとアサリを、酒を切って鍋に入れ、軽くかき混ぜる。
- ローリエを真ん中にいれ、蓋をして、10分炊飯する。
- 炊飯10分後、火を消して、蓋を開けずに10分蒸らす。
- 蒸らし10分後、蓋を開けローリエを取り出す。
- 再びとろ火に、2分~3分ほど、優しくかき混ぜながら、水分をとばして、完成!!!
(炊き上がりの水分でみて、調整してください。)
土鍋でピラフを炊いてみた
フライパンで炊くのが主流の今、確実に芯まで火を通したピラフを目指し、私は土鍋を手に取った。
「よし、理想のピラフを作るぞ」
そう意気込んで、米を研ぐ。ただし、あえて浸水はさせなかった。適度なパラパラ感と、噛み応えのある粒の食感を演出するため。火をつけ、土鍋の中で米と具材が踊る。立ちのぼる香ばしい香りに、期待が高まっていく。
しかし、蓋を開けしゃもじを入れた瞬間、その期待は少し裏切られることとなった。
「おや……?」

確かに炊き上がっている。しかし、鍋の底には焦げができ、ところどころ若干、芯が残っていた。特にお焦げの周りは、焦げ目が炊飯の邪魔をしたのか、硬いところが多い。
「アルデンテ、と言えなくもないが……何かが違う。」
炊飯時間が短かったのか? それとも、コシヒカリ特有の米質が影響したのか? やはり浸水をしておいた方がよかったのか? 頭の中でいくつもの可能性が巡る。
でも、味はどうだろう?

野菜の甘みを凝縮させた出汁、たっぷりのバター。それらが織りなす豊かな風味が、米一粒一粒にしっかりと染み込んでいる。コンソメには頼らなかったが、確かな味わいがそこにあった。
「うん、これはこれで悪くない。でも……まだ理想には遠い。」
私が求めるピラフとは、コーヒーが飲みたくなるような味わい。そして、一口ごとに幸せを感じる仕上がりにしたい。
「まだまだ改良の余地がある。」
ピラフ道の果てしなさを感じつつも、その挑戦が楽しみに変わる。
「次こそ、完璧な一皿を。」
そう思いながら、私は再び土鍋を手に取り、新たな試行錯誤を繰り返すことを決意。 ピラフ道は、まだ始まったばかりだ。
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